保坂さんによると、女性は「ママ友」という言葉がある通り、保育園、小学校など子どものステージが変わるごとに、母親同士のつながりが生まれやすい。

 一方、仕事に邁進(まいしん)してきた男性は、どうしても仕事や職場のつながりが中心になってしまいがちだ。「パパ友」という言葉もあるが、定着している感はない。現役世代でも、職場や仕事関係にしか友達がいない人は、はっきり言って孤独生活の予備軍である。

「生物学的に見ても、動物のオスは一匹で生きる強さを求められますが、人間も同じなのではないでしょうか。一人で強く生きなければならない、と考えるのが、男性の特性かもしれません」(保坂さん)

 保坂さんは「執着」と、その対義に当たる「手放す」という2つの言葉をキーワードに挙げる。

“ただのBさん”であることを自覚できない

 40年もの長期間、仕事に打ち込んだ男性は、定年後も過去を手放せず執着しがちだ。

 友達作りのチャンスが訪れても、かつての肩書を誇らしげに語ったり、仕事の武勇伝を一方的に話したり、相手はまったく興味がなく面白くもない話をしてしまうので、関係が深まらない。

 とあるシルバー人材センターで働く60代男性の話。

 この春、会社の役員だったという男性Bさんが入って来て一緒に作業をする機会があったのだが、過去の肩書を誇らしげに語った揚げ句、仲間たちに仕事の指示を始めたという。

「僕らはいつ、あなたの部下になったんですか?と思いましたね。自分が上、という態度が露骨で、すぐに嫌われましたよ」と男性は苦笑いするが、保坂さんによると、こんな残念な男性がごまんといるそうだ。

「〇〇社のBです、と肩書がアイデンティティーになってしまい、手放せない典型的な例です。定年退職後は、〇〇市に住んでいる『ただのBさん』でしかなく、ゼロからの出発なのに、それが自覚できないんです。こうした人はまず友達ができませんよね」(保坂さん)

 一方で、友達がいて幸せ度の高い人とはどんな人なのか。

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