町議会には自治会費の使い込みを伝えた上で、辞職していたという。日本維新の会奈良県総支部には離党届を出したが、受理されずに除名処分となっていた。
大森容疑者は、会計担当をしている自治会の定期預金170万円を無断で解約していたといい、その後の調べで、約400万円の使途不明金が発覚したという。
大森容疑者をよく知る支援者は、
「秋祭りに使われるお金で、8月ごろの打ち合わせの時に使途不明であることが明らかになった。大森氏に聞いても要領を得ない答えばかり。出してきた領収書も虚偽のもので、それを指摘すると党に相談していた。使途は飲み代やギャンブルともみられていて、看過できない」
と怒りをあらわにする。地域の伝統行事である秋祭りは大森容疑者の逮捕で中止となってしまった。
「カネだけじゃなく祭りまで中止になり、悲しむ子どもたちもいます。二重、三重の被害」(前出・支援者)
国会議員でも多発
不祥事は地方議員だけではない。
衆院大阪10区の池下卓議員は、2021年の衆院選で初当選した後、地元の大阪府高槻市の市議2人を公設秘書にしていた。2人は在任中に、公設秘書と市議の給料を「二重取り」していた。国会議員秘書給与法で定められた「兼職」の届けは出していなかった。馬場代表は池下氏を口頭で注意した。
また、日本維新の会の衆院大阪12区の藤田文武幹事長も、政治団体「藤田文武後援会」への寄付60万円が、後援会の政治資金収支報告書に記載されていなかったことが判明した。
そして、馬場代表についても、地元堺市の社会福祉法人を「乗っ取った」という疑惑が週刊文春で報じられたが、その件について公式に説明をした様子はない。
10月4日には、日本維新の会の前川清成氏が衆院議員を辞職した。一昨年の衆院選の公示前に不特定多数の有権者に投票を呼びかける文書を送ったとして公職選挙法違反の罪で起訴され、一審、控訴審でも罰金30万円の有罪判決が言い渡されたためだ。前川氏は上告している。