比例区で当選した前川氏の辞職を受け、本来は次点の直山仁氏が繰り上げ当選になるはずだったが、すでに直山氏も公選法違反に問われて有罪となっており、公民権停止中だ。結局、次々点の衆院京都6区の中島秀樹氏が異例の繰り上げ当選となる。
維新は宮脇氏の告発から、党内でセクハラやパワハラの調査を実施したところ、14人から申告があったという。
しかし、この調査については公表しない方針だ。
「維新は、オープンで透明性の高い党として売ってきた。公表しないのは隠蔽(いんぺい)、とも支援者から指摘があり、党内でもおかしいとの意見がある。ガバナンスが不十分と感じる」
と話す維新の大阪府議もいる。
マスコミの“よいしょ”も原因
「大阪・関西万博問題は、維新吉村知事などによる“戦後最大の自治体不祥事”」というタイトルで、維新の問題点を指摘する記事をヤフーニュースに出した、元検事でコンプライアンスに詳しい郷原信郎弁護士は、
「まず馬場代表。あれだけ疑惑が出ていながらきちんとした反論ができていない。あれでは党内にコンプライアンス、ガバナンスを効かせることなどできない。不祥事が頻発する理由の一つです。政治はやはり人であり、その人選がきちんとできず、誰でもいいという感覚で選挙に出していることがおかしいと思う」
と改めて指摘し、
「在阪マスコミの一部は『維新寄り』と言われています。吉村知事らを筆頭にテレビなどに出演させ、“よいしょ”していたことがふわふわとした人気となって、選挙での議席増につながっていた。これまで維新は大阪中心だったが、今や全国政党です。国民は、維新という党を冷静に見て、国政にふさわしいか判断すべき時期になっています」
と話した。
次の衆院選で野党第1党を目指す維新。その前に身内の不祥事を終息させることができるのだろうか。
(AERA dot.編集部・今西憲之、吉崎洋夫)