アスリートとして尊敬しているのはイチローだ。「ひたすらに野球を極める姿に感動したし、衝撃を受けました。何か一つのことを極めることはものすごく難しい。僕も人生をかけてバスケを極めたいという気持ちにさせてくれたんです」(撮影/蜷川実花 hair & make up 赤間直幸)
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 野球の世界大会・WBC優勝、強豪国・ドイツ、スペインを破ってのサッカーW杯ベスト16進出……。日本スポーツの競技レベルが向上している。五輪出場を決めたバスケットボールにもいま、注目が集まっている。AERA 2023年10月16日号より。

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 国際舞台での日本スポーツ界の躍進が止まらない。そんな中、近年の躍進が目覚ましいのがバスケットボールだ。

 2021年の東京五輪では女子日本代表が、男女通じて初のメダルとなる銀メダルを獲得。さらに日本中を熱狂させたのが、今年8~9月に行われたFIBA バスケットボール ワールドカップ 2023(W杯)での男子の活躍だ。

 W杯は24年パリ五輪への出場権を争う予選も兼ねており、日本代表は48年ぶりの自力での五輪出場を決められるか、期待がかかっていた。

 日本はドイツ、フィンランド、オーストラリア、ベネズエラ、カーボベルデと対戦。日本代表はW杯過去5大会に出場も、欧州勢との対戦には未勝利で、W杯での勝利自体が06年大会以来なしと、苦戦も予想された。

 しかし、ふたを開けてみれば快進撃。初戦のドイツ戦こそ敗れたが、続くフィンランドを大逆転で破って欧州勢を初撃破。アジア1位をかけて臨んだ順位決定戦では、ベネズエラ、カーボベルデを連破して見事、パリ五輪出場権をつかみ取った。

躍進の陰にプロ化

 17年ぶりのW杯での白星、欧州勢からの初勝利など、数々の快挙が成し遂げられた要因に、日本人2人目のNBA選手、渡邊雄太(サンズ)の存在があったのはもちろんだが、それ以上に、16年に開幕したプロバスケットボールリーグ「Bリーグ」の存在が大きかった。

 05年以降、男子のトップリーグは、従来の企業チーム中心のリーグとプロのリーグが並立する状態が続き、「トップリーグは1国1リーグが望ましい」とこの状態を問題視した国際バスケットボール連盟(FIBA)はリーグを統合するよう通達。それでも改革が進まず、国際試合から締め出されるという事態にまで発展した。制裁を受けて、改革の旗振り役に川淵三郎氏を迎え、リーグを統合。そして生まれたのがBリーグだった。

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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