AERA 2023年10月16日号より

「PGはコートの中の監督と言われます。PGのミスは試合の流れに直結して、落ち着きがない試合になってしまう。安定感のあるPGがいるチームこそがいいチームになると信じているので、フィンランド戦で一番良かったのは得点よりも、試合を通してターンオーバーがなかったことです」

 みなぎる司令塔としての矜持。ホーバスHCからも「PGとして自信を持ってプレーしなさい」と常に叱咤されているという。

「代表では最年少ですが、だからといって遠慮することなくPGとしてチームを引っ張らないといけないという自覚を持たせてくれました」

 これまで日本代表の司令塔といえば、富樫が担ってきた。超えるべき存在として見ているのだろうか。

「実はライバルという感覚はないんです。プレースタイルで言えば、富樫さんは得点ファーストで、僕はアシストを武器にする選手。富樫さんを小さなころからよく見ていて、目標の選手ではありますが、意識するよりも、僕はオリジナルの僕であり続けたい。得点への意識は高まっていますが、パスでチームメートを生かし、観客の皆さんを魅了することが僕の大きな核。そこはぶらすことなくやっていきたい」

(編集部・秦正理)

AERA 2023年10月16日号より抜粋

著者プロフィールを見る
秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

秦正理の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
【フジロック独占中継も話題】Amazonプライム会員向け動画配信サービス「Prime Video」はどれくらい配信作品が充実している?最新ランキングでチェックしてみよう