河村のBリーグでの昨季の平均得点数は19.5得点で、2021-22シーズンの10.0得点からほぼ倍増している(c)B-CORSAIRS

 今やB1、B2、B3を合わせると、41都道府県に56クラブが存在。その規模はJリーグと同様だ。

 昨季の平均入場者数は過去最高を記録するなど、盛り上がりはコロナ禍を除けば右肩上がり。富樫勇樹(千葉ジェッツ)が年俸1億円プレーヤーになるなど、プロリーグとしての存在感はますます高まっている。

 今、そのBリーグで、富樫と並び立つほどの活躍を見せる選手が、横浜ビー・コルセアーズの河村勇輝だ。Bリーグでは3年目、プロとしては1年目の昨季はレギュラーシーズンMVPに新人賞、アシスト王を獲得するなど最高のシーズンを過ごした。先のW杯でも日本代表最年少選手ながら、チームの核として歴史的な勝利を呼び込む奮闘を見せた。

「個人の活躍で言えば、やはりフィンランド戦。自分の持ち味を出せたと思います」

 河村がそう振り返るように、フィンランド戦の活躍は際立っていた。最大18点差をつけられる劣勢の中、ベンチから出場した河村は25得点、9アシストを記録。172センチの河村はコート上で誰よりも小さかったが、抜群のスピードで相手選手をかき回し、NBAのスター選手でもある213センチのラウリ・マルカネンと対峙しながら3ポイントシュートを沈めたシーンは大会のハイライトだ。

「『得点できなければ世界では通用しないよ』とトム(・ホーバス・日本代表ヘッドコーチ)さんからよく言われていて、得点への意識は以前より高まっています」

チームの司令塔として

 事実、河村のBリーグでの平均得点は年々増加。W杯でも勝利を挙げたベネズエラ戦では19得点、カーボベルデ戦では14得点と、スコアリング能力の高さを見せつけている。

「僕の強みであるスピードやクイックネスは世界でも十分に通用したと思います。ただ、僕には高さがない分、体の強さに磨きをかけないといけない。大事にしているのは、相手に自分から先にコンタクトしに行くこと。先に当たれば優位に立てる。世界で戦うにはもっと強い体が必要だと感じています」

 ただ、得点に固執はしない。最も大事にするのはドリブルミスやパスミスなど、相手にボールを渡してしまうターンオーバーをしないこと。河村のポジションはポイントガード(PG)。チームの司令塔だからだ。

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