博多華丸(はかた・はなまる、左):1970年4月8日生まれ、福岡県出身。ボケ担当。福岡大学で博多大吉と出会いコンビを結成。福岡吉本1期生として活動後、2005年から拠点を東京に移す。同年、児玉清のモノマネが注目を浴び翌年「R-1ぐらんぷり」優勝。19年には映画「めんたいぴりり」に主演、21年NHK大河ドラマ「青天を衝け」では西郷隆盛を演じるなど俳優としても活躍/博多大吉(はかた・だいきち):1971年3月10日生まれ、福岡県出身。ツッコミ担当。福岡大学で博多華丸と出会いコンビを結成。コンビでは「THE MANZAI2014」優勝、単独では2015年「IPPONグランプリ」優勝。2018年には華丸と共に朝の情報番組「あさイチ」(NHK総合)のキャスターに就任した。「M-1グランプリ」では審査員もつとめる(撮影/門間新弥)

“欲”は全くない

――この「なぜか評価してもらえる」、運を呼び込むような一面は「あさイチ」でも発揮された。

大吉:番組の引き継ぎがうまくいったのって、最初に一緒にやらせていただいていたアナウンサーの近江(友里恵)ちゃんの人気に助けられたところも大きかったです。それが近江ちゃんが退局するというので、僕らもがんばってはいましたが、「終わった」と思ったんです(笑)。そうしたら、今度は後任の鈴木(奈穂子)アナウンサーの人気に火がつきまして。なんか恵まれてるなぁ、前世でよっぽどいいことしたのかなと思います。

――「なぜか評価してもらえる」「なんか恵まれてる」。それゆえにギラギラした“欲”はふたりとも全くないと言う。

華丸:同じ芸人だったら夢見るだろうなという仕事をどんどんさせていただけて。だからこういうインタビューでよくある、次に挑戦したいことや野望、夢とか、まずなくて。

大吉:「あさイチ」もそうですし、華丸さんの役者仕事なんかも、自分たちからは一言も「やりたい」と言っていないのにやらせていただいて、結果として評価もいただけて。だから、僕らがすごいんじゃなくて、僕らにオファーする人がすごい。僕らと近江ちゃんでいこうと思いついた人、華丸さんに明太子屋の社長をやらせようと思いついた人がすごい。だけど、そのすごい人たちのアンテナに引っかかる何かを持っていた、それは運ばかりではなかったのかなとは思います。

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