拡散した張本人のひとりとして、先日私も亜和さんにお目にかかることができ、食事を共にしました。娘でもおかしくない年の差でしたが、亜和さんの気遣いもあり会話は弾み、社会に出ても結局は、愛情の多寡にかかわらず親につけられた傷と同じ傷をつけてくる相手に引き寄せられるのかもしれないと話しました。
亜和さんのような若い才能の役に立てることがあれば、微力ながら手助けしたい。会話が進むうち、私は祈るような気持ちになりました。
文章を書く技術の手助けではありません。それはもう持っていらっしゃるから。私がしたいのは、自由闊達に文章が書けるような環境を整える手助けです。
すべての業界で言えることですが、40代半ばを過ぎたら、若者が才能を十分に活かせる場を作るのが責務だと思っています。お節介にならない露払いができたらベストでしょう。偉そうな教え魔ではなく。
見極めが難しいところですが、出しゃばらずに、必要とされたら手を差し伸べられるような準備をしておかなきゃ。
※AERA 2023年10月16日号