「破産」を伝えるビューティースリーの案内
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 脱毛サロンの倒産が、相次いでいる。9月末には全国展開していた「シースリー(C3)」を運営するビューティースリーが自己破産を申請し、破産手続きを開始したと明らかにした。負債額は約80億円に上り、債権者は約5万人という大型倒産となった。契約していた女性からは「返金の問い合わせをしても、連絡がない」と悲鳴が上がる。トラブルを避けるためには、どう注意すればいいのか。

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お金を返してほしい。連絡が取れないなんて、あんまりです」

 横浜市に住む23歳の女性は今、不安でたまらないと言う。

 今春から業界大手の女性専用脱毛サロン「シースリー」に通い始めた。施術の回数に制限がない「通い放題」のサービスに惹かれ、さらにほかのサロンよりも価格が安かった。SNSでもよく広告を見かけており、安心して入会を決めた。ローンの選択肢もあったが、現金での支払いを強く勧められ、約30万円を一括で支払った。

 これまでに2回の施術を受けた。しかし、9月に入ってから予約が取りにくくなり、月末にシースリーのホームページを開いた。

 そこには「破産手続開始決定」と書かれてあった。
 

 帝国データバンクなどによると、2007年に創業されたビューティースリーは、首都圏に中心に全国63店の「シースリー」を展開していた。低価格のサービスを掲げ、テレビやネット広告で集客を図りながら、近年は地方都市への出店を強化していたが、新型コロナウイルスの影響などで事業環境が大幅に悪化したという。

 元従業員によれば、回数制と回数無制限のプランがあり、回数無制限のコースは税込で44万円ほどだったが、割引キャンペーンと合わせて実際は30万円前後になることが多かった。そして利用者のほとんどが、回数無制限のコースを選択していたという。

 支払いは現金での一括払いやローン払いなどができたが、手数料がかかることから、店長などからは「現金で払うように促して」と度々言われていたと明かす。
 

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相次ぐ脱毛サロンの倒産