シースリーの店舗(元従業員提供)

 会員だった横浜市の女性は「倒産」を知ってすぐに問い合わせ先に連絡。しかし、返事はまだ来ていないという。

 7月に「通い放題」のプランに加入したという東京都内の30代女性も「お金が返ってくるか、不安でいっぱい」と話す。カードで28万9900円を一括で支払い、返金についてカード会社と交渉中だが、見通しは立っていないという。

 記者は、「シースリー」の経営母体であるビューティースリーの代表取締役の自宅を訪ね、インターホンを押してみたが、誰も出てくることはなかった。
 

増えている倒産と相談件数

 近年、大手脱毛サロンの倒産が目立つ。

 帝国データバンクによると、ビューティースリーの債権者は約4万6千人。6千人。負債総額は80億円にのぼると見られ、脱毛サロンでは過去3番の大型倒産となるという。

 6月には、男性専用の脱毛サロン「ウルフクリニック」を経営していた「TBI」(東京都港区)が、破産手続きを開始した。通い放題プランを購入した会員を中心に、約5万人が影響を受けた。東京商工リサーチによると、被害総額は単純計算で1億8000万円にのぼるという。

 帝国データバンクによると、脱毛サロンの倒産は今年だけで9件と過去最多を記録。同社は「脱毛サービス終了の発表や水面下の私的整理、廃業といったケースを含めれば、実際はより多くの脱毛サロンが市場から淘汰されたとみられる」としている。
 

 相次ぐ倒産を受けて、相談も急増している。

 国民生活センターによると、22年度に寄せられた脱毛エステに関する相談は1万8173件。21年度と比べ、約4.5倍に増えている。特に倒産に伴ってサービスが打ち切られたことへの相談が急増しており、22年度の相談件数は6780件と、前年度の約40倍になったという。

 このような場合、返金される可能性はあるのか。
 

暮らしとモノ班 for promotion
防災対策グッズを備えてますか?Amazon スマイルSALEでお得に準備(9/4(水)まで)
次のページ
注意すべき会社とは?