シースリーの店舗(元従業員提供)

 国民生活センターの担当者は「倒産していなければ返金を求めることが可能」というが、会社との連絡が取れなくなっていることがほとんどだと指摘する。

 そして破産手続きが始まった場合、税金や従業員の給料などが支払われてから、返金などの精算が行われることになる。お金がほとんど残っていないケースが多く、現実的にはあまり期待はできない。また、事業者の財産は破産管財人の管理下に置かれるため、事業者との直接交渉もできなくなるという。
 

 一方、クレジットカード払いやローンでの支払いにしていた場合、カードやローン会社に支払いの停止を求めたり、請求の保留を申請したりできる。

 しかし、個々のケースによって状況が異なるため、「確実に止められるという保証はない」と担当者。そして現金で一括払いをした場合、返金の見込みは少ないのが現実だという。
 

要注意な会社とは

 それでは、トラブルに遭わないようにするには、どうしたらいいのか。

 東京都内の老舗美容クリニックの経営者によると、脱毛エステ業界は全国に複数の店舗を構えて「通い放題」をうたう業者が多い状況にあり、新規顧客の獲得が見込めないほど成熟。低価格勝負となっているという。

 そんな業界の傾向をふまえ、「店舗数を増やしている」「低価格」をうたっている会社には注意が必要だという。また、有名なタレントが広告に起用されているからといって、「この会社は大丈夫」と安易に信用しないことも大事だ。

 さらに、代金を現金で払った場合、万が一のときの回収は難しくなる。この経営者は「カードで分割で支払うほうが、返金される可能性がある」と指摘する。そして倒産した場合の返金などの保証がどうなっているか、契約前にしっかり確認すべきだとアドバイスする。

 消費者庁の担当者は「過度に不安を煽り、低価格で効果をうたうネット広告も多いのが現状。正しい情報収集が求められます」と注意を呼びかけている。

(AERA dot.編集部・板垣聡旨)

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