娘は入院中に相撲競馬、天龍プロジェクトの試合配信、そしてテレビ東京の「昼めし旅」を見ることしかやることがない俺に刺激を与えようと考えて、よくプロレス界の悪口を運んでく来てくれたりもした(笑)。やっぱり、人の悪口はいい刺激になるね!

 そうやって10カ月に及ぶ入院生活を乗り越えて、23年の6月にようやく退院だ……と思ったら、8月に2~3日の検査入院のつもりで行った先で、今度は心臓の不具合が見つかってまた長期入院だ!

 これまで入院はずっと娘が気を遣って個室にしてくれていたんだ。そのおかげで、電話でこの連載や『週刊プロレス』の取材を受けたり、グレート小鹿がちょくちょく電話をかけてくれてきたりもできたんだけど(笑)。こうも入院が続くと変化がほしくなって「相部屋にしてみようか?」となって、最後の方は相部屋にしてもらった。

 常に2~3人しかいなかったこともあって、思ったよりも快適に過ごせたよ。一度、隣のじいさんが俺のベッドのカーテンを空けてこっちを覗き込んで来たから「なにやってんだ、ジジイ!」と怒鳴ったんだけど、後から聞いたら自分のベッドのカーテンと間違えただけだったらしい。しかも、向こうは俺より年下だったんだって。ジジイは俺の方だった。いやあ、申し訳ない(苦笑)。

 このときの入院は心臓の不具合だから、塩分や水分を厳しく管理されているから、毎日のように冷蔵庫をチェックされて、差し入れも「はい、これはダメですね」って没収されてね……。

 この期間の俺は、あの名馬、オグリキャップよりも手厚くケアされていたんじゃないか。こうなってくると、カップラーメンとかハンバーガーとかジャンクなものが恋しくなってくる。退院するときに娘に何が食べたいと聞かれたときは「カップラーメン!」と答えたほどだ。それも楽しみで、退院の前日はワクワクして眠れなかったよ。

 退院した今は、心臓の病気の原因を調べて、経過を見ている段階。容態も安定していて、血圧も上が110と健康的。これまで140あったから「低すぎないか!?」と心配になるほどだ(笑)。

 家にいて、好きなもんを食って、毎晩アサヒスーパードライで晩酌しているのはいいね。目下の楽しみは、11月19日には天龍プロジェクトの後楽園ホール大会だ。その会場に行くと公言してしまったから、そこに向けてリハビリを励んでいるところだ。みんなで「エイエイオー!」をすることを今から楽しみにしているよ!

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