ジブリは子会社に
日本映画を代表する作品となった「千と千尋の神隠し」や「もののけ姫」などの宮崎駿監督作品や「火垂るの墓」などの高畑勲監督作品など、国民的ヒット作を多数抱えるスタジオジブリも「組織」の存続に踏み出している。9月21日、日本テレビの子会社になることを発表。プロデューサーとしてジブリ作品に携わってきた鈴木敏夫社長は会見で、
「宮崎駿は82歳、私も75歳で、これからジブリをどうするか考え(宮崎監督の長男でアニメ監督の)吾朗君に託そうとしたが、宮崎も反対し吾朗本人も固辞した」
と明かし、こう続けた。
「個人が背負うにはジブリは大きな存在になりすぎた。作品づくりはこれまでと変えず、経営は大きな会社の力を借りようと、付き合いの深い日本テレビにお願いした」
このように、身内という枠に縛られずに最適な人材や体制を求めて、外からの視点を入れて強い組織をつくる選択をした企業もある。
一方、同族経営の政治版が世襲政治家だ。鈴木准教授は、世襲について、
「婿養子や妻を後継者にしてでも、『とにかく家が続けばいい』という、武家の時代から続く割り切った知恵です」
と指摘。その特権意識に世間から厳しい目が注がれることは、同族経営の企業が外部から不信感を得やすいことと構図が重なる。
では、創業者のジャニー喜多川氏(19年死去)による性加害問題で、批判の声がやまないジャニーズ事務所はどうだったのか。