江口が影響を受けた俳優のひとりが、2011年に死去した原田芳雄だったという。

「映画『アナザヘブン』など4作品で原田さんとの共演経験があるうえ、原田さんの息子さんとバンドをやっていた縁もあったといいます。原田さんはいつも自身の台本に、心情などをびっしりと書き込んでいたそうなんですが、江口さんの台本を見て、『真っ白じゃねえか。お前、浅えなあ』とよく突っ込まれていたそうです。会うたびに『浅っせえ』と言われるので、プレッシャーに感じる時期もあったとか。そんな原田さんからは『もっと世の中を見て、世の中で感じたことを役に投入するんだよ』とアドバイスされたそうで、その言葉を江口さんは今でも心に刻んでいると話していました」(同)

転機となった社会派映画

 現在では主役だけでなく、脇役としても多数の作品に出演し、硬派も軟派も演じわけられる“最強の2番手”の呼び声もある江口。5年前のインタビューでは、「30代は、俳優だけで食っていくための土台作りをする」(「マイナビ転職」17年11月2日配信)と決めていたことを明かしている。もうひとつの顔だった音楽活動は辞め、ドラマや映画のオファーも決して主役にこだわることはせず、単館系映画など従来とは違った演技にも挑戦した。

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ターニングポイントとなった『闇の子供たち』