王室のサセックス公爵夫妻離れが鮮明だ。今年6月、国王の公式誕生日に招待状を送らなかった。二人が暮らしていたフログモア・コテージのカギを返却させた。二人は、イギリスに来た時には、ホテルか友人の家などに泊まる選択肢しかなくなった。ヘンリー王子が裁判などでロンドンに来ても、王室は警備費などを支払わない。少しずつ、しかし着実に距離を取っている。6月、ロンドンの王立肖像画美術館は、兄弟が一枚に納まった絵画を展示から外した。
良きママぶりを強調
この度のインビクタスゲームは、ドイツのデュッセルドルフで行われた。20以上の国から500人ほどの競技者が集まり、車いすバスケットボールなどで競いあった。ヘンリー王子は全行程に出席したが、メーガンさんは3日遅れて参加した。到着した夜のパーティーでマイクを握ると、「遅れてごめんなさい。子どもたちにミルクシェイクを用意していました」と言ったので、耳を疑う人が多かった。近所にランチに行くなら、ミルクシェイクで遅れるかもしれないが、飛行機の時間に遅れるだろうか。彼女の目的は、家庭を大事にする良きママぶりを強調することだったのだろう。それにしてはビヨンセのコンサートに子ども抜きで2回行ったし、子ども連れの食事など家族団らんの様子は一度も表に出していない。メーガンさんの父親トーマスさんから懇願されても、孫に会わせようとしない。そのうえ、競技者には「今日はメイクもヘアも自分でやったのよ。1時間かからなかった」と明かしたそうだ。傷病兵が主役の競技大会なのに、話が自分の枠から出ていない。
ただ、メーガンさんの出番はそこまでだった。閉会式では彼女の役目は消滅した。当初は、閉会式で司会やスピーチをするとされていたのが、ヘンリー王子一人の役割になった。王子はスピーチで、前のように妻を絶賛し謝辞を述べると予想されたが、メーガンさんの名前は王子の口から出なかった。参加した傷病軍人たちに「大会で身体的には疲れ切っただろうけれども、精神的には来た時よりも元気になっていることを望む」と声を詰まらせて結んだときは、イギリスのメディアも「感動的だ」と称賛した。