閉会式で登壇の機会がないと知ったメーガンさんは、会場内の「キッズルーム」に行って、子どもたちに読み聞かせをした。児童向け絵本『ロージー・リビア、エンジニア』(2013年)は、アメリカ人アンドレア・ビーティ氏の作品で、女の子ロージーがエンジニアを目指す。ニューヨーク・タイムズの児童書部門でベストセラー入りをしたこともある。メーガンさんは読み聞かせが終わると、「この本から学んだことは?」と子どもたちに尋ねた。一人が「1回失敗してもくじけてはいけないことです」と返事をすると、メーガンさんは満足そうにうなずいた。

八方塞がるもくじけず

 メーガンさんは、ネットフリックスの「パール」は制作に至らず、スポティファイを打ち切られ、ディオールのアンバサダー就任は全面否定され、「ボディガード2」のヒロイン役はいつの間にか立ち消えた。大手芸能事務所と契約後、約4カ月がたつが、期待した大型契約話はいまだに聞こえてこない。この度のインビクタスゲームにおいても、友人などから祝福メッセージや花束は届かなかった。

 メーガンさんはこれらを吹き飛ばすように、競技者や参加者とハグし、一緒に写真におさまり、握手して、拍手して、犬を抱き上げ、と懸命に活動した。ヘンリー王子との久しぶりのラブラブシーンも意識した。ただ、ファッションについては緑色のマーメイドドレスは830ポンド(約15万円)など価格ばかりを報じられた。短いパンツ姿の生足で車いすの人の前を行き来するデリカシーのなさも指摘された。揚げ句の果て、「メーガンさんは少しやせたのではないか」「ストレスだろうか、やつれている」とのコメントが目立った。

 ヘンリー王子とメーガンさんの二人での大きなイベントへの参加は、しばらく予定されていないようだ。次回のインビクタスゲームはカナダのバンクーバー・ウィスラーが会場で、2025年2月の開会とだいぶ先だ。しかしメーガンさん個人としては、日記をもとに暴露本を書く、ブログを再開する、キム・カーダシアンやビヨンセとの親交を深める、などを計画中だ。映画化権を購入したロマンス小説の出演者に、レオナルド・ディカプリオの名が挙がっているそうだ。メーガンさんは「失敗しても決してくじけてはいけない」のである。(ジャーナリスト・多賀幹子)

AERA 2023年10月2日号

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