たとえば、夕食の献立は次のようなものだった。
 

・ハンバーグ、サラダ、副菜、スープ、パンまたはご飯
・魚の煮付け、野菜の煮物、みそ汁、漬物、ごはん
 

 秋篠宮ご夫妻も、ごく普通の食事を望んだ。

 フランスで料理を学んだ経験のある宮田さんは、あるときフランス料理風にアレンジを加えた食事を出したことがあった。

 秋篠宮さまはひとこと、

「日常の食事で結構ですよ」

 と、宮田さんに伝えたという。
 

須崎御用邸を散策中、眞子さん(右下)を追って海岸に降りようとする佳子さまに、あわてて手を差しのべる皇后さま(当時)と秋篠宮さま=1998年8月、静岡県下田市

 さらに宮田さんにとって印象的だったのは、秋篠宮家のエコロジー(環境)への意識の高さだった。

 紀子さまは、食材を無駄にすることを嫌った。たとえばプロの料理人は食材の形を均一にするが、その際に切りクズが発生する。ご夫妻は、そのまま破棄するようなことを好まなかった。

 料理人がジャガイモやニンジンの皮をむいていると、紀子さまが聞いてきた。

「(野菜クズを)どうされるのですか」

 宮田さんは、宮邸の裏に堆肥を肥料にするコンポストがあることを知った。20年以上前から秋篠宮家では、食材の皮までも有効に活用しようという意識があったのだ。
 

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