生成AI全盛の時代において必要とされる知識・スキルセットとは
生成AIをめぐる問題は複雑です。生成AIは手軽に利用することができますが、著作権や個人データの処理など様々な法的なリスクが関係してきます。そして、こうした問題は、国内にとどまらず、国境を越えて発生することになり、外国の規制や国際的な動きも無視ができません。お話してきたとおり、生成AIをめぐる各国のアプローチも様々で、日々状況が変わっています。
テクノロジーは今後も急速に発達することが見込まれています。5年、10年後、どのようなことが実現できるようになっているのかを予測するのも簡単ではありません。
しかし、生成AIの利用をずっと避け続けることはできません。こうしたテクノロジーは、日々の生活や業務に着実に影響を与えてきています。今後、生成AIのテクノロジーの発展に伴って、あらゆる業界における仕事内容やキャリア形成にインパクトを与えていくことは間違いないと思います。例えば、私自身の弁護士業務についても、大きく変わっていくところもありそうです。将来的には、特にエントリーレベルの仕事、たとえば簡単なリサーチなどは、生成AIに一部代替できるところも増えていくかもしれません。
そういう「AIの時代」において、ビジネスパーソンに求められるスキルセットはやはり変わっていくでしょう。仕事も、生成AIに任せるところは任せ、人にしかできないところに集中していくことになるかもしれません。ビジネスも最終的には「人」であるので、たとえば、「対話力」であったり、適切な情報を収集して「判断する力」といったものはこれからも重要なのだと思います。
また、先が読めない時代であるからこそ、柔軟に新しい変化に適応していくこと、オープンであることも大切なマインドセットであると思っています。こうしたスキルセットを磨いていくためにも、どんどん生成AIを試していったほうがいいわけです。生成AIなどの新しいテクノロジーについても、その利活用によって生じるリスクや法的な課題などについて自分で適切な情報を収集し、判断し、活用しておくことは、今日のビジネスパーソンにとって重要なスキルの一つになっていると思います。