イラスト:サヲリブラウン

 私見ながら、モノには使えなくなる時期とは異なる寿命があると思います。少し前までは無理だったモノでも「いまなら捨てられる」と手放せるタイミングが必ずくる。

 面白いもので、半年で「もう処分してもいいな」と思えることも、10年経っても「まだ手放すのは忍びない」と思ってしまうこともある。モノの寿命はそれぞれです。

 ここで無理をすると精神がやられるので、私はとにかく機が熟すのを待ちます。

 今回は、前回の大掃除では捨てられなかった多くの不用品を、心置きなく処分することができました。45リットルのごみ袋にして五つ。ぎゅうぎゅうだった収納の中が、かなりスッキリしました。

 と同時に、やはり捨てられないものも。こればっかりは仕方ないので、元の場所に戻しました。いつか、必ず手放せる日が来ることを祈って。

 さあ、残り15週でなにをしよう? 間違っても余計な買い物だけはしないようにしないと。元の木阿弥ですからね。

AERA 2023年10月2日号

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ジェーン・スー

ジェーン・スー

(コラムニスト・ラジオパーソナリティ) 1973年東京生まれの日本人。 2021年に『生きるとか死ぬとか父親とか』が、テレビ東京系列で連続ドラマ化され話題に(主演:吉田羊・國村隼/脚本:井土紀州)。 2023年8月現在、毎日新聞やAERA、婦人公論などで数多くの連載を持つ。

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