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ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの連載「今週のお務め」。15回目のテーマは、「爆笑問題」について。
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現代日本社会における最大の娯楽・エンタメは、音楽でも映画でも、はたまたスポーツでもなく、「お笑い」ではないでしょうか。特に2000年代以降、多くの日本人の日常的なコミュニケーションや思考のほとんどは、「お笑い的言語やセオリー」に倣っていると言っても過言ではありません。
私は敢えて「お笑い」のことは書いたり述べたりしないようにしてきました。昔から「笑い」のメカニズムを解明するような行為を無粋だと感じていたこともあり、ましてや私のような部外者が「お笑い」について何かを論じるなど、恥ずかしくてできないからです。
週刊朝日時代から、過去にこの連載で題材にさせてもらった芸人さんは、ダウンタウン、とんねるず、オードリー、タモリさん、ハリセンボン、EXITぐらいではないでしょうか。いずれも、彼らがテレビの中でどのような「事象」として存在しているかを書いただけで、おいそれと「誰それの漫才は……」とか「彼女の芸風は……」などと批評する立場ではありませんし、そもそも「お笑い論」ほど退屈なものはない。それに尽きます。
と、言い訳がましく長々と先回りして書いているということは、今回は「お笑い」について論評でもするつもりなのかと思われそうですが、そうではありません。
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