東海大相模もリベンジに燃えている。今夏の県大会準決勝で慶応に1-12と6回コールド負け。投手陣が3本のアーチを浴びて完全な力負けだった。新チームは、長打力とミート能力を兼ね備えた和田勇騎(2年)がリードオフマンを務める強力打線を形成し、投手陣も小学生時代にソフトバンクジュニアに選出された塚本空輝(2年)、身長194センチの長身左腕・藤田琉生(2年)、粘り強い投球が身上の高橋侑雅(2年)、キレ味鋭いスライダーを武器に三振奪取能力が高い福田拓翔(1年)と能力の高い選手がそろっており、大崩れしない。
秋季神奈川県大会は上位2校が栃木で行われる秋季関東大会に出場する。慶応は横浜、東海大相模と別ブロックのため、決勝まで対戦しない。準々決勝・桐光学園に勝てば、準決勝で横浜創学館と鎌倉学園の勝者と激突する。
神奈川の強豪校のコーチは、「選手個々の能力や、野球の完成度を考えると慶応が関東大会に行く可能性は高い」と認めたうえで、こう語る。
「ウチも含めてだけど、『打倒慶応』に燃えているんじゃないかな。やっぱり『エリートに負けたくない』って気持ちは子供たちに強い。高校野球は何が起きるか分からないし、何とか一泡吹かせたい。慶応も挑戦者から、王者に立場が変わったことで重圧はあると思う。甲子園で全国制覇を何度もしている横浜、東海大相模でさえ神奈川を勝ち抜くのは難しい」
民放テレビ関係者も指摘する。
「神奈川県大会を勝ち抜いても、関東大会で各都県の強豪校と対戦する。甲子園出場はいばらの道ですよ。神奈川県外の高校の部長が『どうせなら慶応とやりたい。球場でアウェーの雰囲気になるかもしれないがそこで勝てば子供たちは大きな自信になる』と話していました。夏の慶応フィーバーは社会現象になりましたが、他校の反骨精神に火をつけたともいえる。熱戦が楽しみですね」