イラスト:サヲリブラウン

 翌日は弘前れんが倉庫美術館に戻り、現代美術家の大巻伸嗣さんの個展を堪能。ここは現代美術が専門で、ど素人の私は波を表現したインスタレーションにいたく感動し、あと1時間はそこに座っていたいと切に願ったほど。自分にいま必要なのは、なによりも静寂なのだとわかりました。

 と言いつつ、欲張りな私は電車で新青森に移動し、青森県立美術館へ。こちらでは棟方志功の特別展が行われており、100を超える展示に圧倒されました。マルク・シャガールによるバレエ「アレコ」の背景画全4作品も運よく見られたし、奈良美智さん作品のあおもり犬にも会えました。近くで見ると、なかなか趣のある表情をしていました。

 今年の東北地方は記録的な暑さで滝汗を流しながらの移動でしたが、行ってよかった! 最後の最後で夏休みの真似事ができました。本当なら、もっとゆっくり時間をかけたいところですが、そうは問屋が卸さない。月曜からは、ラジオが待っていますから!

○じぇーん・すー◆1973年、東京生まれ。日本人。作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニスト。著書多数。『揉まれて、ゆるんで、癒されて 今夜もカネで解決だ』(朝日文庫)が発売中

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