ジャニーズ事務所

 第二に、犯罪の対象が未成年者であること。自分や身近な人の子供がレイプされることを想像してほしい。ますます「許せない!」となるだろう。

 第三に、一度ではなく、同じ子供に対して繰り返しレイプが行われたということ。一度でも取り返しのつかない心の傷を負わせるのに、それを何度も行っていた。精神的殺人といっても良いだろう。総件数でいえば、数百件になるとされている。驚きの犯罪規模だ。

 第四に、優越的立場を悪用した卑劣な犯罪だということ。物理的な暴力を使わなくても、抵抗する術を知らない子供を「手籠にした」のだ。暴力以上に卑劣な手段ではないか。いくら憎んでも憎み足りないと感じる人が多いのではないか。

 これだけの犯罪を行った人間に対しては、もし生きていれば最高刑が科されただろう。殺人は犯していないので死刑にはならないが、複数の犯罪を犯しているので、不同意性交罪の加重刑の最高刑である30年の拘禁刑にすべき事案だ(拘禁は、懲役と禁錮を統合してできた刑事罰で、2025年までに施行される)。

 以上のことを確認した上で、9月7日のジャニーズ事務所の記者会見を振り返ってみれば、ほとんどの人が、「ふざけるな!」と感じるのではないだろうか。

 ようやく事実関係を認めたのは前進などという人もいるが、これだけの大犯罪を隠し通せるわけがない。悔い改めて認めたのではなく、追い詰められて自分たちの保身のために自白したに過ぎない。

 その証拠に、前社長の藤島ジュリー景子氏は代表取締役に残り100%株主として君臨する。ジュリー氏の幼馴染で、自らもセクハラ・パワハラ疑惑の渦中にあるジャニーズ事務所所属最古参のタレント東山紀之氏が社長になる。そしてジャニーズの名前は残す。

 はっきり言って、何も変えないと言っているに等しい。

 ジャニーズタレントが可哀想だという芸能記者の記事を載せる媒体もあるが、これもまた人権感覚ゼロの変われない勢力の一部である。

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被害者への補償策は具体性がなく、本気度が疑われる