そのBBCは、元人気司会者ジミー・サビル氏による児童性虐待の問題が、2011年の同氏の死後明らかになった後、責任を認めて、同氏の遺産に加えて損害賠償資金を提供した。この事件については、Netflixが昨年検証ドキュメンタリーを配信して話題になったので、ご存じの方もいるだろう。
そして、その時の教訓がしっかりと生かされていることがつい最近の出来事で明らかになっている。BBCのある司会者が10代の子供に性的な写真を要求し、金銭を払い続けたとする報道があった後、単なる疑惑段階で、BBCは警察にコンタクトし、この司会者を出演停止にしたのだ。
過去のことでもしっかり責任を取り、次の事態で教訓を生かす。日本のテレビ局とは天と地ほどの差がある。
日本のテレビ局が変われないという話を書いたが、おそらく彼らも逃げきれなくなる時が来たようだ。
まず、スポンサーが脱ジャニーズで動き出した。テレビ局はそれに向き合わざるを得ない。
さらに、この問題がBBCで報じられた後もなお説明責任を果たすこともなくジャニーズタレントを使い続け、事実であるとジャニーズ事務所が認めた後でさえジャニーズタレントを使い続けるテレビ局は苦しい立場に立たされる。担当プロデューサーの責任ですということでは済まないはずだ。ことの重大性からいえば、経営トップは辞職に値する。
この問題がどうなるのかについて、あるテレビ局関係者は、「カギは文春ですよ」と小声で囁いた。真っ先にこの問題を報じながら、すべてのテレビ局に黙殺された「週刊文春」が手ぐすね引いてテレビ局批判を展開するだろうというのだ。
残念な気もするが、それに期待するしかないのが、日本メディアの現状である。