花巻東・佐々木麟太郎
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 10月26日に行われる2023年のプロ野球ドラフト会議。候補となる選手を絞り込む時期となっているが、やはり気になるのはドラフト1位で誰を狙うかという点だ。各球団の現状、補強ポイントなどから、どの選手を指名すべきか、おすすめ選手を探ってみたいと思う。今回はセ・リーグの6球団についてだ。

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【阪神】

 まず優勝が目前に迫っている阪神だが、2020年を筆頭にここ数年で獲得した選手が順調に主力へと成長している印象を受ける。投手も野手も25歳以下で既に一軍の戦力となっている選手も多く、主力の年齢構成が若いのも強みだ。そうなると比較的早く使える大学生、社会人よりも、多少時間はかかってもスケールの大きい選手を狙ってさらにチームを大きくするのが得策だろう。

 そうなるとやはり狙いたいのは佐々木麟太郎(花巻東)だ。大山悠輔、佐藤輝明、森下翔太と1位のスラッガーが活躍しているが、いずれも大学卒である。高校卒では井上広大、前川右京も楽しみな存在だが、そこに佐々木が加わることで打線の将来はさらに明るくなることは間違いない。競合して外れた場合も真鍋慧(広陵)、明瀬諒介(鹿児島城西)など高校生スラッガーを狙いたいところだ。

【広島】

 4年連続のBクラスから躍進した広島だが、投手、野手ともに30歳前後の主力が多く、阪神と比べると将来への不安は大きい。佐々岡真司監督時代に即戦力を狙った補強を続けたことで若手の有望株が少なく、それを補うために昨年は1位、2位ともに高校生を指名したものの、スケールの大きい選手はまだまだ不足している印象だ。

 補強ポイントを考えると本来は二遊間の選手が欲しいところだが、今年の候補の中に1位入札にふさわしい大物は不在だけに、投手を狙うのが得策だろう。中でも一押しとして挙げたいのが前田悠伍(大阪桐蔭)だ。高校生離れした投球術はもちろんだが、体格を考えるとまだまだ伸びる余地もあるように見える。昨年1位で指名した斉藤優汰とともに、将来のローテーションの中心として期待できる素材だ。もし前田が抽選となって外した場合は同じ高校生左腕の東松快征(享栄)も面白いだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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投手?野手?DeNAと巨人が指名すべき選手