※写真はイメージです(写真/Getty Images)

食物アレルギーとは、「何か特定の食物を食べたとき、アレルギー反応を介して、私たちのからだにさまざまな不利益な症状が出る現象」のことを言います。症状の出方も一定ではなく、出る場所も実際の症状もさまざまです。

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 時には、アナフィラキシーなどのショック症状を引き起こすこともあり、対処が遅れれば命に関わる食物アレルギー。その最新情報を、週刊朝日ムック「手術数でわかるいい病院」編集チームが取材する連載企画「名医に聞く病気の予防と治し方」から、「子どもが気をつけたい食物アレルギー」と題して全3回でお届けします。第2回は、食物アレルギーによって起きる症状を中心に取材しました。

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 食物アレルギーにはいくつかのタイプがありますが、アレルギーを起こす食物を食べて2時間以内に何らかの症状が出るものが最も多く、これを「即時型食物アレルギー」と言います。

最も多いのは、じんましんなどの皮膚症状

「即時型食物アレルギーは、食べてから消化・吸収されるまでに症状が出るものを言います。定義では2時間以内とされていますが、多くは数十分以内に何らかの症状が出てきますね」

 そう話すのは、福岡市立こども病院アレルギー・呼吸器科科長の手塚純一郎医師です。手塚医師は同院のこどもアレルギーセンター長も務め、日本小児アレルギー学会、日本小児臨床アレルギー学会などの理事としてアレルギー疾患の適切な治療のため、医療者、家族、学校、行政など多職種との連携や啓蒙に尽力しています。

「最も代表的な症状は、じんましんや紅斑(赤くなる)、むくみなどの皮膚症状ですが、せきが出たり呼吸がゼーゼーしたりするなど呼吸器の症状も少なくありません。また、腹痛や吐き気、嘔吐、下痢などのおなかの症状、目のかゆみや唇の腫れ、のどのイガイガといった粘膜の症状、頭痛や意識がもうろうとするなど神経症状もあります。食物アレルギーの症状はとても多彩ですが、これらはすべて外から入ってきた異物に対するからだの防御反応で、なかでも最も激しいのがアナフィラキシーです」(手塚医師)

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食物アレルギーかもしれない、と思ったときは、病院で検査