それから、テリーのことでよく思い出すのは、自宅があるアマリロから6~7時間かかる試合会場でのこと。その日はテリーがNWAチャンピオンとして挑戦を受けるのだが、うっかりチャンピオンベルトを家に忘れてきてしまった。タイトルマッチなのにベルトがないと観客も納得しないし、プロモーターにも怒られるから大変だ。
やっぱりテリーはハチャメチャ
そこでテリーは、メインの試合で遅い出番だということもあって、大急ぎで自宅に戻って、なんと3時間で帰ってきた! あれにはびっくりしたよ! 一体、どれだけ飛ばせばそんな時間で往復できるんだ……。やっぱりテリーはハチャメチャだ!
テリーはアマリロだろうが、カンザスシティみたいな大都市だろうが、日本だろうが、どこにいてもテリー・ファンクだった。それは出会ってから今まで、一度もその印象は変わらない。
俺がグリーンボーイのときも、全日本プロレスでのし上がったときも接し方は変わらなかったし、誰とでも同じように接する。だから、みんな憧れてテリーの真似をしたがるんだ。試合スタイルも試合後の振る舞いも、いつでもテリー・ファンクで、彼の裏話は一切出てこない。だって、裏の顔なんてないんだから。テリー・ファンク、彼は本物の“ビッグ・テクサン”だよ。
(構成・高橋ダイスケ)