それから、ファンサービスも超一流。日本ではブッチャーにフォークで刺されたことがきっかけで人気が爆発して、ホテルには出待ち、入り待ちファンが30~50人くらい来ていたよ。テリーはそんなファン一人一人にサインをしたり、写真を撮ったりしていたりと、ファンサービスは徹底的にしていた。

 そもそも、アメリカではプロレスはボクシングや空手の猿真似の“モンキービジネス”と呼ぶ人もいるが、日本のファンはみんな好意的だ。だから、テリーに限らず、アメリカから来たレスラーはファンに受け入れられることで、ファンへの対応も変わるんだ。テリーはそういうレスラーの見本ともなっていた。

 さらに彼はファンだけでなく、レスラー仲間からの信望も厚かった。裏表がない性格で、試合で暴れて、私生活もそのまま、やんちゃ坊主という感じだった。なんでもあっけらかんとしていて、包み隠さない性格というよりも、包み隠せないタイプ。感情の起伏が激しくて、すぐに考えていることがわかってしまう。

テリーは何に対しても「OK」

 それでも、彼の試合スタイルや試合後のコミュニケーションの取り方、みんなで一緒に飲んだり、意外とプロレスの話を真正面から真面目に語ったりすることもあり、選手からも好かれていた。彼へのジェラシーで悪く言うレスラーも中にはいたけど、テリーへの心の底からの悪口は誰からも聞いたことがない。それくらい、選手からも親しまれていたんだ。

 テリーはなにに対しても無頓着で、これは馬場さんから聞いたんだけど、ファイトマネーに関しても「OK,OK」と言うだけで、交渉したり揉めたりすることは一度もなかったんだって。アメリカのレスラーは普通、ギャランティに関してはシビアになるもんだけど、テリーとドリーはそういうことが一切なかったそうだ。

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