あのちゃんもジャニーズもよく知らない夏休み　ミッツ・マングローブ

　ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの連載「今週のお務め」。12回目のテーマは、「夏休みと、あのちゃん」について。

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　コロナ禍以降、YouTubeを筆頭に各種オンデマンドやNetflix、さらにはradiko（ラジオアプリ）で、好きな時間に好きな作品や番組を視聴する時間が劇的に増えました。

　高校野球も終わった今は、ひたすらNHKオンデマンドで「おしん」全297回をランダムに観続ける毎日。ここ数年来の「夏の儀式」でもあります。よって、世間で起きている出来事については、スマホのネットニュースか自分が出演する番組の中で知るといった有り様です。

　ジャニーズ事務所の騒動も、ガソリン価格の高騰も、原発処理水の放出も、なんとなく輪郭だけしか把握できていません。積極的に時事と向き合うことを止めて、あらゆる感情や時間を「趣味」に偏らせることが、私にとっての「夏休み」であると同時に、自分の中に凝り固まった価値観を今後も「使い物」にさせるためのメンテナンスのような気がします。
 

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ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ／1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場～語り亭～」「5時に夢中！」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

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