5年に1度開催される「党大会」は、中国共産党の基本方針や党規約の見直し、党指導部の人事など、党に関する事項が議論・決定される場。一方、毎年1回開催される全国人民代表大会、通称「全人代」は、「国家の最高権力機関」と位置づけられており、日本でいう国会に相当する。国家主席(国家元首のこと)や首相の選出、首相がその年の政治・経済の運営方針を示す「政治活動報告」、予算案の審議・承認、法律の制定や改正などを行う。1980年代後半以降は、毎年3月に開催されている。
全人代の代表に選ばれるのは約3000人。共産党の幹部のほか、県・郷などの人民代表大会で選ばれたメンバーが、省・直轄市などの人民代表大会でふるいにかけられ、代表者が決定する。人民解放軍からも代表が選出される。
中国は共産党の指導体制のもとに国が成り立っており、全人代で示される運営方針も、党大会の方針に沿ったものである。また全人代の代表も共産党員であるため、実質的には全人代は国の運営等をめぐって議論をする場ではなく、トップが決定した事項の追認機関となっている。
(構成 生活・文化編集部 上原千穂)