開幕こそ二軍スタートだったものの3割を超える打率を残すと、8月は一軍でもスタメン出場が増加。ここまで31安打を放っている。172cmと小柄だが、バッティングは決して小さくなく、全身を使ってしっかり振れるのが大きな持ち味だ。31安打中14本が長打で、長打率は4割を超えている。守備もショート、セカンドをこなし、軽快な守備も持ち味だ。二遊間のレギュラー争いは熾烈だが、チームに勢いをもたらすプレースタイルも魅力なだけに、一気に定位置獲得を目指したい。

 冒頭の村上の部分でも触れたように、ドラフトの順位はその時のあらゆる事情が関係するもので、決して実力やポテンシャルをそのまま反映したものではない。今後も下位指名から驚きの出世を見せる選手が出てくることを期待したい。(文・西尾典文)

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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