セ・リーグの打者では巨人期待の新星である秋広優人(2020年5位)が下位指名からスターダムに駆け上がりつつあるが、下位指名のルーキーで存在感を示しているのがヤクルト5位の北村恵吾だ。近江高校時代から評判の強打者で、3年夏の甲子園では1試合2本塁打も放っている。中央大でも森下翔太(阪神1位)とともに中軸を打つなど活躍。ファーストの選手ということで順位は低くなったが、打撃に関しては定評があった。
ルーキーイヤーの今シーズンは開幕直後から二軍でホームランを量産。ここまでいずれもチーム2位となる10本塁打、39打点をマークし、8月9日の広島戦では一軍初ホームランも放った。山田哲人が年々成績を落としており、主砲の村上宗隆も3年契約終了時点でのメジャー移籍が噂されるだけに、貴重な右のスラッガー候補としてさらなる飛躍が望まれる。
パ・リーグの投手では羽田慎之介(2021年4位)と黒田将矢(2021年5位)の西武の高校卒2年目コンビが面白い。羽田は191cmの長身と、サイド気味の豪快な腕の振りから“和製ランディ・ジョンソン”と言われた大型サウスポー。高校3年夏は故障で登板なしに終わりながら4位指名を受けているところに素材の良さが表れている。まだ二軍でも登板機会は多くないが、既に150キロ台中盤のスピードをマークしており、そのスケールの大きさは魅力だ。
黒田も高校時代は外野手との兼任だったこともあって完成度は低かったが、188cmの長身右腕で長いリーチを生かした腕の振りは一級品。2年目の今シーズンは登板を重ね、ここまで二軍で3勝をマークしている。ともにまだ時間がかかりそうなタイプではあるものの、ここまでは順調に成長しているだけに、来年は一軍デビューも期待できるだろう。
パ・リーグの野手でルーキーながら早くも一軍に定着しつつあるのが日本ハム5位の奈良間大己だ。常葉菊川で3年夏の静岡大会で8割以上の打率を残し、甲子園でもホームランを放つなど活躍。その年のU18侍ジャパンにも選出されている。立正大では東都二部でプレーする時期も多かったが着実に力をつけてプロ入りを果たした。