「小沢さんの本質は、政局の人です。ところが不思議なことに、政局を自在に操り、“敵”に対して勝利を収めそうになると、必ず致命的なミスを犯してしまう。相撲で例えれば、相手力士を土俵際まで追い詰めておきながら、なぜか『蹴手繰り(けたぐり)』を仕掛けて空振りしてしまい、形勢逆転して敗れてきました。民主党政権が失敗した“戦犯”の1人でもあります。2009年、政権交代前夜というタイミングで西松建設疑惑が発覚。公設秘書が逮捕され、小沢さんは党代表を辞任しました。後継を決める代表選で岡田克也さんと鳩山由紀夫さんが立候補。小沢さんは鳩山さんを選びました。なぜなら、岡田さんだと自分がコントロールできないからです。この判断が民主党政権にとって致命的だったことは、多くの人が今もご記憶でしょう」(伊藤氏)

 一方、小沢氏に批判された岸田首相は、支持率の低迷にあえいでいる。伊藤氏は「小沢さんの批判がネット上で評価された理由の1つに、岸田首相の子育て支援を批判したことが挙げられます」と指摘する。

「岸田首相の少子化対策は根本的な錯誤があるのですが、少子化の原因は“小母化”です。結婚して子をなしたいという男女は多いにもかかわらず、彼らの年収が伸びないため諦めているのです。つまり岸田政権は結婚を希望している男女の収入を伸ばす施策を実行しなければなりません。ところが現実には単なる子育て支援に終始しています。子育て支援も重要な政策ですが、少子化を抜本的に解決するものではありません。岸田さんの政策は、一事が万事トンチンカンで、それを国民の多くが気づいているのです」

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岸田首相も小沢氏も「どっちもどっち」