時事通信が8月10日に発表した世論調査によると、岸田内閣の支持率はわずか26・2%。小沢氏の苦言は国民の気持ちを代弁した格好となり、それがSNS上で“拍手喝采”となったのだろう。
久しぶりの“小沢フィーバー”について、政治アナリストの伊藤惇夫氏はこう語る。
「小沢さんの投稿は、まさに正論です。腑に落ちる人も多かったはずで、だからこそネット上で歓迎されたのでしょう。とはいえ、発言の主は、あの小沢さんです。小沢さんは本当に特異な政治家であり、今回の投稿の真意を考えるには、やはり彼が何をしてきたのかを振り返る必要があると思います」
1989年、47歳の若さで自民党の幹事長の就任した小沢氏は、その後も権力の中枢で政局を操っていく。
93年6月に自民党を離党して新生党を作ると、7月の衆院選で自民党は単独過半数割れに陥った。非自民・非共産の連立政権が誕生し、細川護熙氏が首相の座に就いた。
そして、2009年7月には民主党が政権交代を果たす。小沢氏は衆院選の陣頭指揮を執り、新人候補は「小沢チルドレン」「小沢ガールズ」などと呼ばれた。