AERA 2023年8月28日号

 ただ、「仲間の大切さ」については、誰よりも良く知っています。どこを切り取ったらいいか分からないくらい、いろんな場面で助けられてきましたから。僕は自分一人だと、ホントにダメな人間なんです。仲間がいなかったら、今のこの僕はいないし、どこかで絶対に落ちこぼれていたと思う。公私にわたって仲間に支えてもらってますね。自分の宝物は「人」だと思います。そういった仲間たちが、リスペクトできる部分を見せてくれたり、「こういう人みたいになりたいな」と思わせてくれたおかげで、変わっていけた。……いや、今もまだ変わりたいともがいている最中かもしれません。

――「Gメン」では高校生役を演じたが、実際はもうすぐ28歳を迎える。アラサーの岸が、今リアルに「仕事場で気を付けていること」とはどんなことだろう。

普通の感覚を忘れない

岸:仕事現場などで、食べ終わったあとのゴミは、ちゃんと自分でゴミ箱に捨てる、というのは忘れないように意識しています。僕らはどうしても「誰かにやってもらう」ということが多くなりがちなポジションで、意識してないと、ごく当たり前の「ちゃんと自分でやる」をついつい忘れてしまったりする。それは人としてダメじゃないですか。昔の自分なら、絶対、自分で片付けてたなと思うから。

 でも、今なぜそれを強く思っているかというと、この前、よりによってテレビカメラが回っている時に、ゴミを捨てるのを忘れたんですよ! 本当にそのときに限って。それがめちゃくちゃ悔しくて、その日からは特に意識しています。

 あと、仕事じゃないけど、「普通の感覚を忘れたくない」という意味でいうと、割り勘もちゃんとやっていきたい。昔はきっちり折半していたのに、いつの間にか「いいよ」と僕が払う機会が増えていたので。「理想の大人像」として40歳までには、たくさんお金を持っていたいんです。そのためには浪費を減らして真面目にちゃんと貯金しないといけないので(笑)。

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