ヤンキー青春映画「Gメン」で主人公・門松勝太を演じた岸優太さん。撮影のためのトレーニングやマインドについて語った。AERA 2023年8月28日号より。
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――何事にも全力で、誰からも愛される高校生・門松勝太だが、ひとたび喧嘩となるととんでもない強さを発揮する。ヤンキー青春映画の醍醐味、迫力満点のアクションシーンのために、普段とは違うトレーニングに切り替えて、持久力をつけた。
岸:体づくりは趣味でずっとやってはいるんですが、本来は重量を上げていくようなトレーニングが好きなんです。でも今回は速い動きができるようにならないといけないから、重量は軽くして、インナーマッスルを鍛えるようなトレーニングに切り替えて体づくりをしていきました。
アクションシーンは、動画をいただいて覚えるんですけど、とにかく手数が多い。結構、距離も近かったので、ちょっとの間違いが怪我に繋がったりもします。とにかく怪我はしないように、させないように、毎回緊張感があって、そこは怖かったですね。
また動きも複雑で難しいんですよ。カメラの角度と合わせて、一番かっこよく見える位置をスタントコーディネーターの富田(稔)さんが考え抜いてくださっているので、そこもズレてはいけない。ドキドキしている分「OK!」の声がかかると、毎回、知恵の輪が外れたみたいな「快感」を味わいました。
――仲間を信じることの大切さを教えてくれる物語でもある。伝説の不良グループ、Gメンの最後のヘッドであり、つかず離れず勝太を見守る八神(田中圭)が独りで悩む勝太に「本当の強さってなんだか分かるか?」と語りかける場面は本作の名シーンの一つだが、その答えを岸自身はどう考えるのだろう。
岸:なんでしょう。本当の強さとは……優しさ、ですかね? そんな気がしますけど、えーと、……いや、すみません! 良い感じでまとめようとしたけど無理でした(笑)。でも、自分の中にも、強さに裏打ちされた優しさがあると信じたい。