人を楽しませたい

――前回(2月6日号)のインタビューでは「自分の根本には人を楽しませたい、という気持ちが強くある」と語った。今回はそんな気持ちが芽生えた原点を振り返ってもらった。

岸:僕、小学校5年生から中学時代まで野球に打ち込んでいたんですけど、そこかもしれませんね。一生懸命練習して試合でいい球を打つと、チームメートも、監督も、応援のために見に来てくれた親たちも「ワ~!」と喜んだり、驚いたり、盛り上がってくれるじゃないですか。あの時の楽しそうな顔。

 エンターテインメントの世界に入ってからは、そのまま、「お客さんや、応援してくださるファンの皆さんを楽しい顔にしたい」にスライドして。いい笑顔を引き出すために、こちらも、そのときそのときの自分が持っている力を出しきって最善を尽くしてきたつもりです。

 人を楽しませると、その分、得るものがあるんです。ライブのときは、楽しそうな顔の人を見れば見るほどテンションが上がりますし、充実感もあります。「あの時楽しかったな~」という思い出も残りますしね。

 あと、とにかく僕は一緒にいる人につまらないと思われたくないんです。自分といる時間を、少しでも楽しいと思ってもらいたいというマインドで生きている。だからこれからも、どんな場所にいても、「人を楽しませたい」という気持ちだけは変わらず持ち続けると思います。

(ライター・大道絵里子)

AERA 2023年8月28日号より抜粋

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