OPEN HUB Parkと同じフロアには、NTTコミュニケーションズ従業員の執務スペースもある。リモートワークの先にあるオフィス環境として同社が提唱している「ハイブリッドワーク」の促進がコンセプトだ。
多様な「快適さ」
「働く場所と時間を自分で選びながら、オンラインでもオフラインでも働ける環境です」
こう解説するのは同スペースのプロモーションを担当する浅沼麻衣さんだ。同社は22年7月以降、原則自宅勤務にシフト。出社は「出張」の扱いだ。そんな中、出社の価値をとことん追求したのが現在のオフィスだという。
ポイントの一つは「偶発的なコミュニケーション」。机は通路の歩行者と目線が合いやすい45度の角度で配置している。わきの通路を歩くと、フロアのほぼ全員の顔が見えるレイアウトだ。
さらに、フリーアドレスでもコミュニケーションの質が下がらないよう、出社時に誰がどこにいるのかを一目で把握できるフロアマップが、個人端末のウェブ上やフロアに掲示された画面で把握できる位置情報システムも導入している。
「出社時に直接話をしたい人がすぐに見つかりますし、自宅で誰が出社しているのかを確認し、自身もオフィスで働くという選択を取ることもできます」(浅沼さん)
自宅で仕事に集中しづらい従業員に特に好評なのが「集中スペース」だという。オンラインの最新システムを備えた個室ブースを約50台設置している。フロアを回遊したくなる巧みな空間配置と最先端テクノロジーの融合。これこそ社内の多様な「快適さ」のニーズに向き合う上で不可欠な要素といえそうだ。(編集部・渡辺豪)
※AERA 2023年8月28日号より抜粋