作家・画家の大宮エリーさんの連載「東大ふたり同窓会」。東大卒を隠して生きてきたという大宮さんが、同窓生と語り合い、東大ってなんぼのもんかと考えます。前回に引き続き鳩山由紀夫さんとの対談を振り返ります。
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鳩山さんは、素人で不勉強な私を馬鹿にすることなく、素朴な質問にも答えてくださった。対談は和やかな雑談のようで、でもずっと日本の未来にきちんと船頭は向いていた。
「対話や平和が大事だっていう人たちよりもね、武器で自分たちは強いんだっていうことを見せることに力を入れている人のほうが、何かこう、強いんだよね。勢いがある」と鳩山さんは憂えた。でも、自国民とすら対話ができていない政治家のみなさんが、国外の人と対話できるんだろうか。国民を代表して国政をしようとする人たちが、自分たちが守るべき国民と、膝をつきあわせて話していると思えたことがない。誰のための政治なのか。そんなことを思っていると鳩山さんがこう言った。
「もっとこの国は発展していなきゃいけないはずなのに、低迷している。そういうときって、強い政治家を求めるんです。若者が諦めモードになってしまっているのも、そこにあるような気がするんです。諦めてしまって、もうこんなもんだというような人たちと、武器を持って強い日本にしなきゃいけないんだみたいな人たちが、結局、同類項になってしまっている気がしますよね」