同門の親友にして好敵手である三原舞依と坂本花織は、ともにジェフリー・バトル氏が振り付けたショートプログラムを携えて今季に臨む。
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バトル氏は、羽生結弦の『バラード第1番』を手がけたことで名高い人気振付師である。2006年トリノ五輪銅メダリスト、2008年世界選手権金メダリストであるバトル氏は、その鋭敏な感性で数々の名プログラムを創り出してきた。
そのバトル氏が今季ショートの曲として昨季グランプリファイナルで優勝した三原に提案したのは、大ヒットナンバー『To Love You More』だ。この曲を歌うセリーヌ・ディオンが今季世界選手権の開催地であるカナダ出身であることも、バトル氏がこの曲を選んだ理由の一つだという。
三原の伸びやかなスケーティングと『To Love You More』の壮大なメロディは良く合っており、代表作となりそうな予感も漂う。このプログラムを初披露した6月末のアイスショーで「本当に有名で大好きな音楽なので、一つひとつ心を込めて滑っていけたらと思います」と語った三原は、プログラムのクライマックスについて説明している。
「この曲の最大の盛り上がりポイントと重なっているのが、ステップの最初のバレエ所作が入っているところです。“I’ll be waiting for you”『待っている』という強い思いがある歌詞のところで、ジェフリー・バトルさんが『マイのバレエジャンプが好きだから』と急遽そこに入れて下さって。振り付けの最後の方なのですが、そこで音に合わせて、間の取り方やタイミングを考えながら、しっかりできたらいいなと思います」
そのバレエジャンプは確かにプログラムのハイライトになっており、三原にしか滑れないショートだと感じさせる。三原の魅力を知るバトル氏の振り付けと、その思いに応えようとする三原の滑りの相乗効果で、『To Love You More』は名プログラムに仕上がっていきそうだ。