「脱丸刈り」が話題となっている今年の夏の甲子園。慶応、土浦日大、花巻東など強豪校を筆頭に代表校49校のうち7校が、部の規則で髪形を丸刈りと定めていない。
スポーツ紙デスクは、「自由な髪形を容認する学校は今後増えていくでしょう。実際に丸刈りが強制される高校を敬遠する子どもは増えている。自由と言っても長髪や、校内、部内の規則に反する髪形は禁止されているので、生徒たちは責任が伴う。丸刈りの方が好きな子もいれば、髪を伸ばしたい子もいる。髪形も規則の中で自主性を尊重する風潮が進むと思います」
既存の枠にとらわれない高校球児が新たな歴史をつくる――その旗頭となっている高校が慶応だ。リードオフマンの丸田湊斗は甘いマスクで帽子を脱いだ際にサラサラヘアがなびく。「慶応の美白プリンス」と称されているが、実力は本物だ。
バックネット裏から見守ったプロのスカウトは高く評価する。
「ミート能力の高さは高校生でトップクラス。足も速いですし、試合の流れを読んだプレーができる。ああいう選手が引っ張るチームは強いですよ。慶応の選手たちは基本的に大学進学すると思いますが、4年後はドラフトの上位候補になるでしょう」
慶応は、従来の高校球児のイメージを覆す髪形、圧倒的な声援と圧力で球場の空気を変える応援団など、野球以外の話題が取り上げられやすいが、本質的な強さにも目を向けなければいけない。