京都の紅葉の名所で、混雑しないところなんてあるの?と思うかもしれない。紅葉シーズンを前に発売されたムック「秋の京都」2023年版で、「人混みをさけて紅葉を楽しめる場所」を教えてくれたのは、京都の観光ガイド「京都旅屋」を主宰する吉村晋弥さんだ。混雑を避けられるのは、朝7時台の嵐山と、市街地に建つ2つの寺院。ムックから、その詳細をまるごと紹介したい。この秋、京都の紅葉を楽しみたいなら、各社からムックが出そろった「いま」が予約どきだ。
嵐山といえば紅葉時期に限らず人気のエリアで、秋の週末ともなれば大混雑必至。それを避けるには、早朝、それも、まだ周辺の店舗も営業していないくらいの時間に訪れるのがポイントだ。
平安時代から景勝地として愛され、天皇や公家の別荘も建てられた嵐山。そのシンボルともいえるのが渡月橋だ。ほぼ水平にすっと川に渡された橋の南側に見えるのが嵐山で、カエデ・サクラといった広葉樹にマツ・スギといった針葉樹が交じる多彩な植生。秋の彩りは息を呑む美景だ。
京都旅屋の吉村さんも、「紅葉は太陽の光が当たると透き通った美しさが楽しめるので、西の嵐山は午前中がベスト」と話す。東山から朝日が昇る京都では、盆地の西側にある嵐山が光に照らされるのは早い時間。当然ながら渡月橋は早朝から渡れるし、紅葉のピーク時期には天龍寺で、朝7時30分から曹源池庭園の早朝参拝も行われる。
天龍寺は足利尊氏が創建した臨済宗の名刹(めいさつ)で、世界遺産。嵐山や亀山を借景とした曹源池庭園では、色づいた山々が周囲の紅葉とともに池に映り込むシンメトリーな光景が素晴らしい。庭園の奥は散策路になっていて、小高い場所にある「望京の丘」まで登ると、天龍寺の伽藍(がらん)と紅葉を一望できる。