今手を振ったら、この方の顔が映っちゃうなと思ったので、しばらく待っていたんですね。そしたら携帯にスタッフさんから電話がかかってきて、「こっち準備できたんで手振って下さい」って言われたので、「でも今横に女性がいるんで……」って返したら、「え、島田さんしかいないですよ?」って。

 パッと横を見たら、女性はいなくなっていて、代わりに足元に花が添えてありました。実は、その2週間くらい前、橋から女性が転落して亡くなっていたそうです。でもあのときの僕は、携帯が鳴るまで、女性のことは完全にそこにいる人だと思っていたんですよ。そう考えると、実は今までも、気づかないうちに何人も幽霊に会っていたのかもしれないな、なんて。

(聞き手・構成/AERA dot.編集部・大谷百合絵)

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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