ビーチで浮き輪を借りようと海の家(のような売店)へ向かう。「レンタル料は16時までで20よ!」。胸に「ROXY」と書かれたタンクトップ姿の、RIKACOをメチャクチャ庶民的にしたような日本人女性(推定年齢52歳)が言う。「……セント……じゃないですよね?」「ハハハハ! おもしろいっ! ドルドルっ!」。すでに15時を回っていた。50分浮き輪一つ借りるのに3000円。これも日本の国力が弱ってる証拠か。RIKACO(似てるだけ)から浮き輪をもらい、ものの50分で返しに行くとRIKACO(ニセモノ)が気軽に話しかけてくれた。

R「家族でどっか行ったの?」

私「ハイ、イルカを見に」

R「キレイだったでしょ!?」

私「いやー、それがあいにく見られなくて」

R「ん? どういうこと?」

私「出てこなくて」

R「なにが?」

私「イルカが」

R「??? どうして?」

私「……どうしてなんでしょうね?」

R「今日行ったの?」

私「ハイ、午前中」

R「どこで?」

私「〇〇浜です」

R「陸から見ようとしたの?」

私「まさか……船ですよ」

R「だよね……目、わるい?」

私「メガネかけてますけど……」

R「ちゃんと見てた?」

私「……はい、一生懸命」

R「どこの船? 旅行会社どこ!?」

私「✖️✖️です」

R「ちゃんとしたとこだよね」

私「……と思いますけど」

R「ハハハハハハっ! ありえないっ!! ドルフィンウォッチング行ってドルフィンウォッチング出来ないって!! マジありえないっ!!」

私「(ムッとして)いや、天候の都合とか、海の状況で見られないこともあるんじゃ……」

R「イヤイヤイヤイヤ! 99% 見られるから、グアムのイルカ!! ちょっと沖に行けば、ホラあの辺だっているわよ! 今だって泳いでるはずっしょ!……むしろ、持ってる! グアムでイルカに会えないって、逆に持ってる!! 持ってるよっ!!」

 そんなもの、持たなくてえーわい! クソ! RIKACO(別人)めっ!!

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