ラグビー日本代表の姫野和樹
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 フランスで開催されるラグビーワールドカップに出場する日本代表が15日に発表された。自国開催だった4年前は予選プールを4戦全勝で通過し、史上初の決勝トーナメント進出を果たした。代表発表記者会見などでジェミー・ジョセフヘッドコーチやキャプテンを務める姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ)らは目標に優勝を掲げ、ファンも前回の世界8強を超える成績を期待する。しかし、「BRAVE BLOSSOMS(ブレイブ・ブロッサムズ)」を待ち受けているのは4年前よりも厳しい道のりだ。

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 ワールドカップの登録選手数は33人だが、この日発表されたのは30人。残る3人は、負傷している複数の選手の回復状況を確認のうえで後日発表されるという。今大会注目の選手の一人だったフランス代表の司令塔ロマン・ヌタマックが離脱したのをはじめ、ウォームアップマッチでの負傷で既に発表したワールドカップ代表の入れ替えを迫られたチームはいくつかあるが、発表時点での保留は異例。現時点でのチーム状態の一端を物語っている。

 30選手のうち、姫野キャプテンやバイスキャプテンを務める流大(東京サントリーサンゴリアス)をはじめ、4大会連続出場のリーチマイケル(東芝ブレイブルーパス東京)と堀江翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、4年前はチーム最多の5トライをあげた松島幸太朗(東京サントリーサンゴリアス)ら前回大会の経験者は13選手。現時点でチーム最年少22歳の李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)ら17選手がワールドカップ代表初選出となる。前回大会にも出場した、左足からのロングキックが武器のベテランFB山中亮平(コベルコ神戸スティーラーズ)は選ばれず、メディアやファンから驚きをもって受け止められた。

 初めてワールドカップの舞台に立つ選手が半数を超える中で、フッカーの堀江、ナンバー8の姫野、SHの流、CTB中村亮土(東京サントリーサンゴリアス)、FBの松島と、中軸となる「縦の線」のポジションの多くに経験豊富な選手がいるのは心強い。ただし、「縦の線」の中心であるSOのポジションに絶対的な存在の選手がいないことが気がかりだ。

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順調ではなかったW杯までの歩み