―― 味は発売当初から変わらないものなのですか?
実は5年ほど前から、毎年少しずつ見直すようにしています。それまではできるだけ今までの味や形を維持するように努めてきました。
方針を改めたのは、もちろん、よりおいしいお菓子を作るためです。お客様にとってのベストな味は、常に変化しています。チョコやお菓子に求められるレベルも年々上がっている。
そう考えると、当社の商品も、もっとおいしくできるはず。お菓子には完成形なんてなく、常によりよいものを追求し続けるべきだと考えました。
―― 発売当初から順調だったのですか?
実は初めは販売不振で、発売1年程度で一度、生産終了した経緯があります。当時、駄菓子屋などで売られていた子ども向けの競合品の価格は10~20円といったものが多く、ブラックサンダーは少し高かった。パッケージも黒色が基調で、当時のお菓子としては珍しい。商品名も、子どもには分かりにくいアルファベット表記でした。
今から考えると売れない要素が多く、休売に至ってしまったのは納得できる部分もありますが、九州地区の営業担当者が「絶対に売れるから売り続けたい」と、当時専務だった現会長に直訴して首がつながった経緯があります。この担当者がいなかったら、そのままなくなっていたかもしれませんね。