トンボやチョウの標本「夏の思い出」。現在もトンボに関心があるという=2013、代表撮影/JMPA

 悠仁さまは小学生のころから現在まで、トンボの成育環境の調査を続けている。

 お茶の水女子大学付属小1年生だった13年には、皇居や赤坂御用地などで採集したトンボやセミ、アゲハチョウの標本を、「夏の思い出」と題して出品している。

 標本のタイトルは、「日本のヤンマ」「日本のアゲハチョウ」「日本のセミ 日本には35種セミがいます」。それぞれの個体の下には、「ウチワヤンマ」「Sinictinogomphus clavatus」というように和名と学名で書かれたラベルもある。

 悠仁さまは、チョウの羽の鱗粉(りんぷん)が落ちないよう、丁寧に作業したという。
 

16歳になった悠仁さま=2022年、宮内庁提供

 悠仁さまの「こだわり」ぶりが注目を集めたのは、同小3年生だったときの「文化祭」で制作した、実物大の信号機の模型だ。

 発泡スチロールの板や電球を使った「車両用電球信号灯の模型」は、高さ3.3メートル、横2.4メートル。スイッチを押すと信号が点灯する力作だった。さらに翌年にも粘土と針金で制作した「片面角形信号機」と「歩行者用信号機」の模型が出品された。

 この16年には、日本家屋のミニチュア模型「昔の暮らし」も出展。図鑑で調べながら間取りを自ら考え、富士山の絵が描かれた和室のふすま、台所には包丁やしゃもじ、水がめといった小物まである精巧さだった。

「昔の暮らし」は翌年にも制作され、家屋の周囲には水田や畑、秋篠宮さまが研究する鶏小屋も作られた。ご家族や職員も協力したという。

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