暑い前橋を乗り切った
JFAは2016年、暑さ指数(WBGT)に基づいた「熱中症対策ガイドライン」を公表。それに合わせて、比較的安価でWBGTを計測できる機器を47都道府県のサッカー協会に提供し、各地の現場に広めた。
「ガイドラインとWBGT計の両輪で、熱中症対策の啓発活動を始めました。現場にWBGT計を置いて暑さ指数を目にすることは、熱中症対策にも敏感になる、ということですから。今ではピッチ(グラウンド)で暑さ指数を測ることが、普通に見られるようになりました」
ガイドラインでは、柱として「WBGT=31度以上になる時刻に試合を始めない」と明記している。
それに対して積極的に動いたのは、クラブユースサッカー選手権を主催する日本クラブユースサッカー連盟(JCY)だった。
「クラブユースサッカー選手権の開催地は、中学年代(U-15)は北海道・帯広と非常にいいのですが、高校年代(U-18)は群馬県・前橋で、とても暑い場所でした」
前橋の大会では、それまで1ピッチで朝と昼からの1日2試合が行われていたが、午前中のみの1試合に変更した。
「これはもう大変な変更だった。2試合を1試合にするということは、ピッチがこれまでの8面から2倍、16面必要になる。それを天然芝で用意し、大会運営スタッフも8グループの倍に増やしていただいた」