全国各地で「災害級の暑さ」「命に関わる危険な暑さ」が続いた8月上旬、さまざまなスポーツのイベントが開催された。熱中症のような症状を訴える参加者が出るたびに上がるのが、「もう夏に実施するのを見直すべきでは」という声だ。気温の上昇という「現実」の前に、日本サッカー協会(JFA)は熱中症対策の指針を示すとともに、開催地の見直しも含めた対応に取り組んでいる。そして、「夏はサッカーをしない」という議論にも踏み込もうとしている。
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「屋外スポーツの大会を夏に実施するのは、見直すべきではないか」
複数のスポーツの大会運営側に質問を投げかけたが、現実にはさまざまな方面に「調整」が必要であり、「あつれき」が生じかねない問題でもある。多くの当事者の口は固かった。
そんななか、熱中症対策に取り組んでいるJFAの幹部が、匿名での取材に応じてくれた。
「『今年の夏の暑さは異常だ』と言われますが、まったくそうではない」と、JFAの幹部は気象庁の地球温暖化予測を示しながら話した。
気温上昇の傾向は以前から続いており、現在のような二酸化炭素の排出が続けば、いずれ日本の夏の気温は40度超が常態化すると環境省などは訴える。
「このデータが示すように、これから夏の気温はさらに高まっていきます。それを踏まえたうえで、対策をとらねばなりません」