このように、現役ドラフトで指名された選手たちの明暗が分かれているが、活躍している選手を放出した球団には複雑な思いもあるだろう。今季の現役ドラフト組のパフォーマンスを見つつ、次の開催へ向け各球団が放出する選手の選定に慎重になる可能性もある。
「多くの選手は予想通りの成績となってはいるが、大竹と細川が信じられない活躍をしている。一人でも多くの選手が生き返るのは良いことだが編成担当からすると複雑でもある。『使えない』と判断した選手が他球団の中心選手になる。『見る目がなかった』と思われても仕方ない」(アマチュア野球に詳しいスポーツライター)
特にソフトバンク関係者は歯がゆい思いをしているはずだ。日本一奪回を目指し、昨年のオフには総額80億円と言われる大補強を敢行したが、7月には12連敗を喫するなど現在首位オリックスから10ゲーム差の3位と苦しい戦いを強いられている。先発投手陣は東浜巨らチーム最多の勝利数が「5」となっており、放出した大竹の勝利数に及んでいない。ソフトバンクは大竹の他にも「移籍したら活躍するのでは」と言われている投手も多く、今後どういった動きに出るのか興味が湧く部分でもある。
「ソフトバンクの例を見ると、極力活躍する可能性がある選手を現役ドラフトにかからないようにする球団も出てくるはず。今年のように好成績を収める選手が出にくくなるかもしれない」(在京テレビ局スポーツ担当)
現役ドラフトの対象選手には様々な条件があるが、今のところ各チームが条件にあった支配下選手(育成選手は除外)から選ぶルールとなっている。対象選手の選択は球団に任されている部分など、今後はさらなるルールの練り直しも必要という声は多い。
「現役ドラフトは見切り発車的な部分もあった。今後はさらに詳細を詰めて、プロの在籍年数、出場試合数など、明確な基準を作らないといけない。飼い殺しを止めることで原石がダイヤモンドになる可能性がある。多くの選手が活躍すればファンの楽しみも増えるはず」(在京テレビ局スポーツ担当)